Sr. 芝崎富美子
私が聖母訪問会を知ったのは、ある日、何気なく読んでいたカトリック新聞の記事でした。
「聖母訪問会が赤字を覚悟で・・・」といったような書き出しで、当時、神奈川県ではまだなかった重症心身障害児施設をシスター達が始めるという内容でした。それは看護師として外科病棟で忙しく働いていた私の心に、くすぶっていた火がパット燃え立つような嬉しい感情を湧き立たせました。
そして「私の行くところだ」と、確信のような神の招きを感じました。
キリスト教とは無縁の家庭に育った私が、このような世界に入るのは、全く神さまの導きとしかいいようがありません。中学2年の時、担任の先生の「教会に行ってみたい人はいないか」との誘いに、2人の友人と興味本位で行きました。
神父さまの話を1年間聞くうちに、この世を造り、私達一人一人を愛してくださっている神さま、神の子キリストを信じられるようになっていました。
その当時は将来のことなど深く考えていたわけでもなく、バレリーナーになることを夢見る少女でした。ダンス部に入り、放課後毎日のように踊っていたのです。
洗礼を受けた後は、心が満たされ嬉しい毎日でした。洗礼がその後の私の人生を変えてしまったといえるでしょう。聖母訪問会を知る前、人生の挫折を感じ、苦しみもがいた時もありましたが、今、ここで生かされている自分を見る時、神さまのはかり知れないご計画にただ感謝するばかりです。